○長瀞町手話言語条例

平成30年3月9日

条例第17号

これまで手話が言語として認められてこなかったことや手話を使用することができる環境が整えられてこなかったことなどから、ろう者は、必要な情報を得ることやコミュニケーションを図ることに困難があり、多くの不便や不安を感じながら生活してきた。

こうした中で、障害者の権利に関する条約や障害者基本法において、手話は言語として位置付けられたが、手話に対する理解の広がりを十分に感じられる状況には至っていない。手話が言語であるとの認識に基づき、手話に対する理解を広げることにより、町民や訪れる観光客などが安心して過ごせる長瀞町を目指すため、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、手話が言語であるとの認識に基づき、手話の理解及び普及並びに手話を使用しやすい環境の整備に関し、基本理念を定め、長瀞町(以下「町」という。)、町民及び事業者の責務又は役割を明らかにするとともに、施策の総合的かつ計画的な推進に必要な基本的事項を定め、もってろう者とろう者以外の者とが共生することのできる地域社会の実現に寄与することを目的とする。

(基本理念)

第2条 手話の理解及び普及並びに手話を使用しやすい環境の整備は、次に掲げる事項を基本として行うものとする。

(1) 手話は、ろう者が自ら生活を営むために使用している独自の体系を持つ言語であって、豊かな人間性をかん養し、及び知的かつ心豊かな生活を送るための言語活動の文化的所産であることを理解すること。

(2) ろう者とろう者以外の者が相互に人格と個性を尊重し合いながら共生すること。

(3) ろう者とろう者以外の者が手話により意思疎通を行う権利を尊重すること。

(町の責務)

第3条 町は、前条に定める基本理念にのっとり、手話の理解及び普及並びに手話を使用しやすい環境の整備を推進するため、次に掲げる施策を実施するものとする。

(1) 町民が手話を学ぶ機会を確保するための施策

(2) 町民が手話を使用する機会を拡充するための施策

(3) 手話通訳者その他の手話による意思疎通支援者の配置拡充のための施策

(4) 前各号に掲げるもののほか、町長が必要と認める施策

(町民の役割)

第4条 町民は、基本理念を理解し、積極的に手話を使用するとともに、地域社会の一員として、手話を使用しやすい地域社会の実現に努めるものとする。

(事業者の役割)

第5条 事業者は、基本理念を理解し、手話を使用する人が働きやすい環境を整備するよう努めるものとする。

(施策の推進)

第6条 町は、第3条各号に掲げる施策を総合的かつ計画的に推進するものとする。

2 前項の推進に当たっては、手話を使用する人その他関係者の意見を聴くものとする。

(財政上の措置)

第7条 町は、手話に関する施策を実施するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

(施行期日)

この条例は、平成30年4月1日から施行する。

長瀞町手話言語条例

平成30年3月9日 条例第17号

(平成30年4月1日施行)

体系情報
第8編 生/第1章 社会福祉
沿革情報
平成30年3月9日 条例第17号